TRAVEL to モンゴル2016 #人々の暮らし
ウブルハンガイ県に到着した私たちキャラバン隊は県都のアルバイヘールのホテルに泊まった。
翌日、旅を進める前に友人のご両親とホテルで会うはずだったけれども連絡がつかなったので、急きょゲルをもう一度訪れることにした。
草原の中を走ること20分か30分でゲルに到着。
やっぱり行き違いになったらしくご両親は不在で、かわりに犬2匹が私たちを出迎えてくれた。
ゲルはキッチン用と住居用の2つあって、鍵はかかっていない。
そこで私たちは勝手にお邪魔して昼食をつくることになった。
ゲルの真ん中にはストーブが鎮座しており、馬乳を煮詰めていた。いい匂い。
馬乳を皮の中に入れて発酵させて飲む。馬乳酒だ。
夏には貴重なビタミン、カルシウム、体必須微量元素、アミノ酸などの補給源となる。酸味の強いヨーグルトドリンクのような風味で、アルコールもわずかにある。
この地域の馬乳はおいしいと評価が高いようである。
燃料は乾燥したカリカリの馬の糞をつかう。
草しか食べていないから、ウンチ臭はなく草の燃えた香がする。お香みたい。
虫よけにもなるすぐれものの馬糞である。
モンゴルチームはさーっと消えたかと思うと、袋に一杯の燃料をつめて帰ってきた。
私たち日本人チーム(3人)はお手伝いをしようと思いながらも、さすがモンゴルチームの手際の良さにはついていけない。
むしろ好奇心いっぱいで、ゲルの外内の物色に忙殺。
われらプロドライバーのロッタさんはてきぱきと羊をさばき、調理の腕もなかなかの名シェフだった。具は羊とジャガイモと人参。
味付けは塩だけで、とても美味しい煮込み料理が出来上がった。
ランチができたところで、ご両親が帰ってこられた。
なんとも渋いお父さん、美しいお母さんだ。素敵なカップル。
お父さんは手作りの馬乳酒を私たちにふるまってくださった。
そして馬の乳しぼりを見せてくださった。馬はとても繊細な動物だから、知らない私たちが近づくと大変警戒する。
まずは仔馬に乳を飲ませてから人間が飲む分を絞るという、家畜との信頼が成り立った共存システムを見せてくださった。とても貴重な経験だった。
ゲルの中。分厚い羊毛フエルトでおおわれている。
枠組みを利用して道具や肉を差し込んだり吊り下げたりしている。
下部分をめくると風が直接入り込む。子供の寝顔が心地よさを物語っている。
ゲルを訪問中、日本人ゆえか、便利な社会で生活に馴染みきっている一人として、あのことが頭のなかでぐるぐるしていた。。それはもちろん、トイレ。。。どうやって用を足すのか。。。
ゲルにはトイレもシャワーもない。外にもトイレはない。。。
やっぱり青空トイレだ。
モンゴルの方たちは男も女も立って用を足すのだ(小の方)。
モンゴルにいる間に、できることなら、乗馬とこれをマスターしたいなと思った。
44歳の夏だった。。。